3:あらすじ(2幕)
2幕1場
貞吉は自問自答している。
死すことは本当に人の道であるのか。
想像の中で、叔父頼母との問答を繰り返す。
「生きよ」という頼母。「潔く死ぬのが武士(もののふ)の道だ」と心で叫ぶ貞吉。
けたたましい鐘の音で我に返り、戦場へと急ぐ貞吉。(続きを読む)
4:鑑賞のポイント
1:オペラの時間軸
時間軸の扱いに特徴があります。
1幕の最初は昭和の初め、白虎の唯一の生き残り飯沼貞雄の登場から始まります。
彼は生き残った事へ自問自答を繰り返しながら、複雑な想いを抱いて生きてきました。(続きを読む)
5:オペラ「白虎」 初演鑑賞ガイド
白虎の歴史的背景、オペラのあらすじを書いてきましたが、初演を鑑賞する上で、演出の意図など、舞台の事に関して、何となく全体の流れを把握しているとよりオペラが味わえるのではないかと思います。
何しろ演出も相当に練り込まれ、考えられたすばらしいものですので。
僕自身が稽古を見学しながらその深さに感激しています。
白虎について知り、あらすじを見た皆様へ、鑑賞ガイドでございます。 (続きを読む)
6:オペラ「白虎」 後記
そもそも僕は歌が嫌いだったし、声楽にも、オペラにも、何の興味もなかった。あれだけマーラーが好きでハマっていたにも関わらず、声は単に効果的な楽器の一つとしか思っていなかった。
それが大学院で宮本益光という同級生を紹介され、声楽のための新作を書く機会を得た。彼は知っているが僕はこれにたまらなく興味がなかった。
でも変なプライドも持っていたから恥ずかしい歌曲は書きたくないし、新作展で並ぶ作品達のなかで目立ちたいという野心もあった。(続きを読む)
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