小学校2年生の夏に、初めて音楽の世界に踏み込みました。
3歳から住んでいた官舎の同じ階段に住んでいた幼馴染みが、ずっとピアノをやっていて、僕が遊びにいくといつも練習をしていたのです。
僕としては、早く一緒に遊びたいわけですから、ピアノの練習なんて早くやめようよ!なんてわがままなことをいつも思っていたのですが、いつの間にか黒くて大きいその「おもちゃ」に興味を持ちはじめ、ある日、ピアノを習いたいと親にせがんだのが、その始まりでした。
だけれど、我が両親は僕の飽きっぽい性格を良く知っていたし、また音楽の素質も何もないであろうと当然ながら思ったわけで(親類に音楽をやっている人は皆無)、「はいそれじゃぁピアノ買わないとね」なんてことは決して思わなかったのです。
そうなるとますます欲しくなるのが子供心というものなのでしょうか、その辺の記憶はあまりないのですが、半年間僕はピアノの代わりに紙鍵盤で、教室から帰るとピアノ欲しさに懸命に練習していました。
別に最初はピアノが特別面白いと思ったようでもないのですが、一週間ただただ音の出ない紙のピアノだけで指を動かして練習していて、教室で本物のピアノを弾いて音の出た時の興奮は相当なものであったことは記憶にあります。
そのうち家での練習で何となく頭で音をイメージしたりして、次第に音に対して興味を持つようになっていきました。
とにかく飽きっぽい性格。同じ曲を何度も練習するなんてしたくありません。
一度、弾いてしまえば、早く次の曲を弾きたくなるんです。
そんな性格が恐るべきスピードでのバイエル制覇につながっていたようです。(一度に10番くらいは余裕で練習していきました。ただし、半分むちゃくちゃでしたが)
次回は、作曲のおはなし。 |