音符への興味は、楽譜への興味へと変わります。
少なくとも僕の知る限り、ピアノで奏でられる全ての音楽は、楽譜の上に表されていました。
自ら魅力的と思う音楽は、その音の響きが紙の上に書かれ、
そしてまた、楽譜に書き表されているものは、音として奏でられ、
目で見るものが、耳で聴こえる。
何か不思議で面白いことだなと感じました。
練習曲の次の曲はどんな曲?に始まって、楽譜屋に売っている楽譜を片っぱしから開いて、様々な音符の描かれた風景画のような楽譜に、好奇心が注がれました。
音符の大きい楽譜もあれば、細かくて、たくさん書いてある難しそうな楽譜もある。でもこの全てが音になるんだ!
それを考えただけで興奮したのです。
面白そうな楽譜を見つけると親にせがんで買ってもらいました。
その時買ったのは、
ショパン ワルツ集
シューマン ピアノ協奏曲
ショパン ピアノ協奏曲第1番
ベートーベン ピアノ協奏曲第5番『皇帝』
バイエルが終わったか、終わってないかの頃です。
その楽譜を持って教室に行きました。
「先生、これが弾きたいです!」
先生は驚いたそうです。
まず短大出の先生はコンチェルトなどやったことがなかったし、バイエルくらいしかやってない子が、何故こういう曲を知っているのか?と。
ていうか、持ってくるか?こういうの??云々・・
先生は、上手に僕の希望を壊さないようにまだ弾けない事を悟し、別の先生への紹介を考え始めました。(苦笑)
そして僕はそれから一年後、その先生の師匠の弟子になりました。 |